~業界底上げのためだったが・・・~
平成8年に税理士として個人事務所を開業したことは前号で紹介した。
実はその際に並行して会社を立ち上げたのである。
結果から言うと大失敗に終わった。
設立当初にお世話になった方々から資金も出していただきながらである・・・
その当時、税理士業界は単なる記帳代行だけでは先細りになることが見え始めていたのである。
以前から顧問料は何となく5万円、決算料は20~30万円、その他季節業務報酬で10~20万円と、1社から年間100万円程度というのが相場だった。
PCもWindows95が出始めて数年、まだまだ1人1台という時代ではなかった。
特に税理士業界はオフコンと呼ばれる会計専用機を主に使用しており、PCでレポートを作成することはほとんどしていなかった。(まあそれでも十分に飯が食べていけるから・・・)
いつか必ず報酬体系が大きく変わり、それは下がっていくだろうと・・・
そこで、業界全体の底上げを図る目的で会社を立ち上げ、生意気にも同業者へのコンサルティング事業を開始したのである。
会社案内、エクセルやアクセスを使った業界便利グッズ、研修プログラムなどを作成し、DMを大量に送ったのである。
さあ反響にワクワクしながら待ち望んでいたのだが、ほぼ反応なし・・・
営業マンを採用し近場の税理士事務所へ足繁く通ったものの、反応はイマイチ
私も営業に出かけるものの、若干30歳の若造、開業したての生意気な奴には、逆に上から目線で返され剣もホロロ・・・
5年間自分なりには必死だったつもりだが、結果は惨敗・・・
当初資金を提供していただいた方々には分割払いでお願いをして返済したことでお許しを得た。
今では、税理士業界向けのコンサル会社は何社かあるが、さすがにどこも気難しい税理士の気持ちをきちんと研究されていて、大したものだと感心しきりである。
そこで税理士事務所一筋に邁進しようと再び走り出した。
それはもうこれまでの大失敗を取り戻すためにと必死だった。
正直言うとお金もほとんどたまらずの状態だったので、新規のお客様はほぼ私が担当しスタッフは補助業務のみ、経営者とは私が対峙するので、とにかく時間が無い・・・
帰ってきてチェックして、また出かけての繰り返し・・・
それが手っ取り早くて、効率的だったのである。
そこで何が起こるかというと、イライラである!
当時30才そこそこだからスタッフも20代と皆若く、年齢差もそこまで離れえていないから、「どうして俺ができるのに、お前はできないんだ~」と怒号の連続・・・
当然スタッフの定着は悪かった。
が、当時は採用を出しても必ず数人の応募は来るので、自己反省していなかったのだろう。
今では絶対に考えられないことである。
私に限らず、経営者という人は自分と一緒に成長しているとスタッフに対して強く思っているのである。
願望というよりも要望と言った方がいいのかもしれない・・・
オープニングスタッフだから余計に気持ちが高ぶり、それをストレートに出していたのである本当に強く反省すべきである。
もちろんそれから20年以上の歳月が過ぎ、54歳にもなればそこまで怒ることもしないし、相手に応じて変化をしているつもりではあるが・・・
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